一年は凄い。本気になれば

宗文洲さんのブログ。最近はツイッターでも積極的に発言されているが、これはなかなか味わい深い。
(以下全文引用)

一年は凄い。本気になれば: "昨年の今頃、私の東京の自宅は荷物の山でした。25年ぶりに中国で生活をするための引越しでした。旅行でしか中国に行ったことのない妻、「ニイハオ」としか言えない子供達。私は中国人だといっても文化大革命の少年時代と勉強一筋の学生時代しか経験がありませんでした。

ハワイ、スイス、オーストラリア・・・洒落たところに移住するならばともかく、「汚染、人混み、不正、格差、拝金主義」と言ったイメージの中国に移住することはお世辞にも楽しみとは言えませんでした。しかし、それでも北京移住を決心したのは「中国に帰りたい」と言うよりも「現状を変えたい」と思ったからです。

「日本が嫌になったのか」と聞かれる方がいますが、はっきり言ってそれは違います。「日本でやっていけなくなったのか」と聞かれる方はいませんが、念のために言っておきます。カバン一つで来た私にとって今の日本はまるで天国でした。

私が日本を出たい理由はまさにこの「天国のような状態」にいるからです。経済人から政治家、マスコミまで皆さんは私に本当によくしてくださいます。本音とはいえ、訛った日本語での講演であちらこちらに呼ばれます。地下鉄や街角で突然見知らぬ人から「先生」と呼ばれることがよくあります。

先週、テレビ番組で2年ぶりに勝間さんに会いました。「この2年間でなぜ急にこんなに有名になったんですか」と聞きましたら、「それは番組の後に教えます」と言いました。次の用事に急いでいた私に勝間さんが答えのメールを送ってくれました。「ひと言でまとめると、あまりにもみんなサボっているので、少しまじめにやると成果が出るのが、正直、日本だと思います。」

私はまさに自分のことを言われたと思いました。幸いにして、一年前からやる気のなかった自分に気付き、直す方法として日本を出ることにしたのです。一年後の今、見事にその薬が効き始め、元気でやる気のある人間に戻りつつあります。

ちょうど一年経った今週、家内と子供達と一緒に日本に来ていて、子供達は以前通っていた小学校に2週間の体験留学を始めました。中国の早い夏休みを利用して日本の学校を忘れないための体験ですが、一年前の小学校のお供達との再会に子供達が興奮して前日から寝れなかったようです。

毎日楽しそうな子供達をみて私はついつい聞きました。「北京の小学校と東京の小学校のどっちが良い?」と。驚いたことに子供達は悩んだ末、「どっちも良い」と言いました。

無理もありません。子供達は中国生まれの同級生に及ばないのですが、中国語で勉強し生活する分には全く問題がなくなりました。家内はいろいろと不便を感じながらも日本ではできない楽しみも見付けています。

何よりも良かったのは日本を離れたことで日本の良さを分かるようになり、文句が減ったことです。もちろん日本の欠点が見えなくなったのではありませんが、欠点ばかり目に付くのは日本にどっぷり漬かっているからです。

我々家族にとって北京が良いのか、東京が良いのかという比較はどうでもよく、必要と気分に応じてどちらでもやっていける確信を得たことが最大の財産です。我々の国が急に何十倍も広くなったような気分です。

一年前の今日、不安な気持ちを押さえ、「ニイハオ」程度の中国語で北京に行ったのは嘘のようです。一年は凄いなと思います。しかし、それはあくまでも本気になってアクションを起こせば、の話です。
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