例年に増して政治色が強くなりそうなダボス会議

春山さんの記事。わかりやすいのでご紹介。
(以下全文引用)

例年に増して政治色が強くなりそうなダボス会議: "すぐにでも結果が出そうなことを予想するのは時間の無駄かもしれませんが、事前事後の認識ギャップを認識するには役立ちそうです。

ダボス会議国際世論形成の場
です。

決して「何が正しいかを純粋に議論する場」ではありません。政治経済外交の総合力(除く軍事力)を言論というフィールドで戦わせる舞台なのです。

中間選挙を控えているアメリカは経済の復活では中国に見劣りするので、経済以外の分野で国際世論をリードしたいと考えているでしょう。
「オバマ政権が実行したいこと」に対して国際世論を味方につけたいと熱心に水面下で事前工作しているハズです。
先週の金融規制の発表がダボス会議の直前というタイミングでなされたことは、直前の上院補欠選挙で負けたからだけではないでしょう。

オバマ大統領自身は中間選挙に向かっての政治的な得点としては得票効果のなさそうな「グーグル VS 中国」のネット検閲からは距離を置こうとしています。しかし、検閲禁止の議論が勝手に(=オバマは積極的に発言しなくても)盛り上がることは放任したいと考えているでしょう。

2009年が「世界が協力して金融危機を乗り越えよう!」という国際協調だったとすれば、2010年は「喉元過ぎれば国益をかけて相争い」という政治色(=つばぜり合い)が前面に出るように感じています。もちろん立派なメンバーの議論ですから「露骨な要求を綺麗なフレーズでラッピングする高度な話術&理論もどき」が披露されるのですが。。。。

今年は中国バッシングが盛り上がるように思います。
COP15で煮え湯を飲まされたのは中国のせいだと考えている欧州は、中国憎しで一致協力するでしょう。その流れをアメリカは放任して、アメリカ(=実は米中合意案だったというのが真実のようで)が矢面に立たされないように立ち回るでしょう。

新興国は先進国を追いかけて這い上がろうと夢と希望を抱いてしゃにむに前進します。先に豊かになって既得権を築いた欧米は、新興国に対して「秩序を乱し自分たちを不安定にさせる困り者」という感情を抱きます。昔なら軍隊を派遣して黙らせることができるでしょうが、現代は「言論という武器 + 事前工作」で国際世論を形成するのです。イラン、北朝鮮などに対しても国際世論の形成が重視されています。

ただし、第二次世界大戦前のように「じゃあ、俺たち勝手にやらせてもらうわ!」と国際連盟を脱退するような事態が再来する可能性もあります。
ペン・言葉は、実力行使・武器よりも強いのでしょうか? 
もう軍隊は不要なのでしょうか?
そんな点も今年もダボスで考えることになるかもしれません。

PS:日本の鳩山さんは出ないようです。

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