週末の猛烈ネット・サーフィン後の雑感

日本のマスコミはほとんど取り上げないが、グーグルが「中国政府機関からハッカー攻撃を受けた。もう中国でビジネスをやるのはこりごりだ。」と撤退を匂わせており、これに米政府当局が悪乗りするという良からぬ展開になっている。
少なからず小生も心配しているが、春山さんも重要事案としてウオッチされているようだ。
(以下全文引用)

週末の猛烈ネット・サーフィン後の雑感: "辛い季節の始まり、、、とは言っても相場の話ではない。花粉症だ。

最悪期は20年以上も前に過ぎたが、もう30年も花粉症と付き合っている。おかげで屋外スポーツはやめてしまって久しい。薬を飲んで2~3時間後に猛烈な睡魔が襲ってくる。集中力が極端に低下することが影響するからだろうか、毎年のように年の前半は成績が芳しくない。

週末は「グーグルと中国」の事件のために家に引きこもっていたので花粉症の被害にあわずにすんだ。

3日ほど猛烈に集中して一点を調べたのだが、投資判断のプロセスはありふれたローテクな作業だ。何かに注目し、それについて先入観を廃して可能な限り調査する。その後に行動が必要か否かを判断する。ただそれだけだ。しかし、行動するしないの判定は、毎度のように僅差の判定になる。当るときもあれば、外れるときもある。昨年の本の「あとがき」にも書いたことだが、「51対49のようなボンヤリとした確率を積み重ねていくしかない」のだと思う。

今回のハッキングとネット検閲の問題は皆が以前から知っている問題だ。昨年12月時点では誰も気にしなかったことをグーグルの「撤退可能性あり宣言」を契機に衝撃が走った。それが大きな衝撃か無視してよい衝撃かが即座に判断できなかったので、調べるしかなかった。3日ほどのネット・サーフィンを通じて思ったことは、次の2点の再認識だった。

(1)ベキ論に熱くなっているレポートは捨てろ!

(2)過去を手繰って源泉に近づく重要性

投資は基本的に「ナル論」にベットするもので、「ベキ論」に軽々に資金を投じてはならないものだ。例えば、過去20年間の日本株に関して「日本・企業は**を採用しなればダメになる。政府・企業は**という政策を採用するベキだ。だからこんなに下がった**を買うベキだ」という「脇の甘い三段論法」だ。

この手のベキ論に書かれている逆転大復活のための行動を実施した企業は非常に少ない。にもかかわらず、明日にでも多くの企業が過去を大反省して未来に向かって猛進すると宣伝するようなレポートが後を絶たない。今後も誘惑に引っかからないように頭を冷やして現実を冷静に観察しなければ儲からないだろう。

米中の政治的な問題は最終的には米中のリーダーに帰結する。2人の対応をさかのぼっていくと、胡錦濤もオバマも現実主義のようだと再度確認できたと思う。良いことだ。

しかし、アメリカの民主党は「いわゆるリベラル」が一定の発言力を有している。そして彼らは少なからず「具体的な工程表、実現に向けての具体的な作戦」を持たずにベキ論を軽々に発言する性癖がある。今回のヒラリー・クリントン国務長官とペロシ下院議長の発言は党内リベラルに向けた政治的なリップ・サービスだとは思うが、「いわゆるリベラル」が顔をのぞかせたのだろう。そんな民主党を現実主義者のオバマ大統領が牛耳っている限りは米中関係は大きな破綻はないと判断できそうだ。

中国も共産党内の保守派の強硬姿勢へのリップ・サービスをしつつも徐々に資本主義の本丸へと歩を進める胡錦濤(鄧小平の実質的な後継者と私は評価している)が権力を維持している限り混乱はなさそうだ。
ただし、今回のグーグルの行っている「実質的な中国国内ルールの逸脱」への対応が必要になっている。完全に過去に戻らず、しかしグーグルに屈せず、このバランスがどういう形で出現するのかを他数を飲んで待っている、これが今の気持ちだ。

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