【レビューNo.1386】人体600万年史(上)
評価★★★★
サッカーなでしこ代表FWの大儀見選手が以前この本を読んだと語っていて関心を持ったのだが、人気の本らしくなかなか図書館の予約順番が回って来なかった(今でも私の近所の図書館では予約10人待ちの様だ)。
個人的なことだが、その予約を待っている間に、長年投薬治療を受けて来た高血圧が悪化して悩まされる事態となっている。本書は上下2巻の前半にあたるが、その巻末の第7章がいわゆる現代人が悩まされる特有の疾病(著者は「ミスマッチ病」と名付ける)についての言及がある。著者曰く高血圧は「肥満を招くような食生活、塩分の摂りすぎ、運動不足、そして酒の飲みすぎ」が原因と一刀両断なのだが、問題はそうならばなぜそれが改善されず、かくも多くの人がいわゆる生活習慣病などに悩まされるのかということだ。そのことについての詳しい考察は下巻に展開される様である。
上巻の大半は、我々の祖先がチンパンジーと分岐するところから始まり現世人類のみが最終的に唯一生き残るまでの経緯の説明に割かれている。
やや退屈な感もしないではないが、おそらくはその歴史的経緯を理解しないと、下巻以降の考察も理解できないのだろうと思う。