「英国の財政再建策」

牛熊さんのブログから。まあ、消費税5%くらいでガタガタ言うなというのが、国際的なコンセンサスなのかな。
(以下引用)

「英国の財政再建策」: "



オズボーン英財務相は22日に緊急予算案を発表し、第二次大戦後で最悪規模に膨らんだ公的債務を減らすため、2011年1月4日から付加価値税の基礎税率を現在の17.5%から20%に引き上げることを明らかにした(日経、毎日等)



また、オズボーン氏は2010年度の公的債務が1490億ポンド(約20兆円)に上るとの新たな見通しを示した。このため、年間20億ポンド規模の銀行新税を2011年から導入するとともに子供手当てや福祉給付カットなどの歳出削減を組み合わせ、財政赤字のGDP比を2015年度までに1%まで引き下げるとした。



これは先進国の中でも、最も厳しい緊縮財政となり、それだけ財政悪化が深刻化しているとも言える。ただし、景気悪化に配慮するかたちで法人税の基本税率を2014年までに28%から24%に引き下げるとしている。



今回の英国の財政再建策はカナダで開催されるG20首脳会議を意識したものともみられている。経済成長に重点を置くのか、それとも財政再建に重点を置くのか、それぞれの国の財政や経済情勢によりかなりの温度差が出ている。



ユーロ圏諸国ではドイツやフランスなど比較的財政悪化が深刻ではなく、むしろユーロ安により景気回復の恩恵を受けている国もある。もちろんギリシャやポルトガル、スペインといった国々での財政悪化は深刻化している。



米国ではオバマ大統領が財政再建よりも景気回復を優先させる姿勢を見せている。しかし、それに対して英国の財政悪化はかなり深刻化しており、早期に手を打たなければギリシャの二の舞にもなりかねない。こういった事態は避けたいことでの今回の英国の財政再建策の発表であろう。



これに対して日本では、財政再建と景気回復を同時に進めようとする第三の道を模索しているが、これはどっちつかずの中途半端な政策ともなりかねない。消費税の引き上げについても菅首相は2、3年後との発言もあった。日本の長期金利は1.2%を割込むなど確かに低位安定しており、財政悪化による金利の上振れといったものは見えていない。しかし、債務残高に占めるGDP比は英国をも大きく上回っているのも事実である。



日本ではいずれ、今回発表された英国の財政再建策よりも、それ以上踏み込んだ内容のものを行う必要が出てくるであろう。今回の英国の財政再建策と実際の効果については、日本でも十分に検証しておかなければならない。

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