iPad VS. キンドル

池田信夫氏の記事からご紹介。
この本は図書館に予約した。
(以下引用開始」

iPad VS. キンドル: "iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏 (brain on the entertainment Books)当ブログでこの種の業界本を取り上げることは少ないが、本書は出色である。iPadとキンドルだけでなく、電子出版の過去の失敗も含めてほとんどの事例がカバーされ、当事者にも取材している。



日本人として悲しいのは、電子出版のパイオニアだったソニーの「リブリエ」の失敗だ。JBpressでも紹介したように、Eインクを初めて採用したのはソニーであり、性能もキンドルとほとんど変わらなかったが、出版社が違法コピーを防ぐために60日後にファイルを消滅させる(!)DRMをかけたため、ビジネスが成立しなかった。



しかし実は、出版社にはそんなDRMをかける権利はないのだ。日本の出版契約のほとんどは口約束で、文書がある場合もデジタル化権も明記されていないことが多い。だから著者が自分の原稿をPDFファイルにしてブログで公開すればよいのである。事実、NTT出版で絶版になった私の修士論文はCCラインセンスで公開している。



アメリカは逆に、出版契約で出版社がすべての権利を一任されていることが多い。これはハリウッドと同じで、アマゾンもアップルもグーグルも、出版社と交渉するだけで個別の著者の了解を得なくても何万点も電子化できる。著作権は譲渡可能な報酬請求権なので、「グーグルは文化独裁だ」などと尊皇攘夷を叫ぶ文芸家協会もいない。



ただ日本方式のメリットもある。出版社が著作隣接権をもっていないので、著者のOKさえあれば、既刊本を文庫にするのと同じ方式でロイヤルティを払えば出版社もOKしてくれる。2年以上前の本や品切れ・絶版の本が電子化されることは出版社にとっても増収になるので、アゴラブックスはこの「日本方式」で既刊本の電子化を進める予定である。



ただビジネスの中心は、学術的な価値が高いが商業ベースに乗らない本や、逆に対談をまとめたカジュアルな本など、従来の書籍にはなりにくい情報を著者が企画して本にする著者による出版で、売り上げの半分以上は著者に還元するのが原則だ。アゴラブックスのウェブサイトも構築中だが、基本的には著者のOKがあれば電子化は可能である。くわしいことは事務局まで問い合わせてください。
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