新型インフル情報、、、、木村盛世氏のブログから

昨今は、たけしのTVタックルにもご出演と聞く、厚生労働省の木村技官(医師)のブログからご紹介。
(以下引用)


 H1N1インフルエンザは事実上まん延状態にあります。この中でタミフルの備蓄が少なくなり医療現場は不安を抱いているようです。患者だけでなく濃厚接触者とよばれる患者のまわりにいた人に対しても予防投薬をしているのですから不足するのは当然と言えます。  濃厚接触者とは結核に対してつかわれる概念ですがインフルエンザには適切なのかとどうかと疑問です。結核の場合、患者をみつけその周りにいた人に抗結核薬の予防投与をするからです。この方法が最良の結核対策であることは長い研究結果から実証されています。  しかしインフルエンザは違います。カゼと同じような広がり方をする感染症に、患者の追跡調査をすること自体あまり意味がないことです。ましてや濃厚接触者探しなど医療機関や地方自治体の負担を増すだけではないでしょうか。  タミフルに関してはその効果について議論が分かれるところですが、構造的に耐性が生じやすい薬であることから使い方についてはもう少し慎重になるべきだと考えます。本当に必要な重症化しやすい人たちに使えなくなってしまう危険性があります。タミフルに変わる新薬の開発も欧米に比べて遅い日本ですから十分考えて使うべきでしょう。  米国ではインフルエンザの濃厚接触者という概念は一般的ではないと聞きます。患者のまわりにいた人へのマスクやタミフル投与など日本ほど積極的ではありません。大体まん延状態になってしまえば周りにいた人すべてに対策をするとなれば、日本国民全員が濃厚接触者となり社会は回らなくなります。  行きすぎた対策は、インフルエンザに対して怖い伝染病といったスティグマを生みます。欧米がインフルエンザ流行が収まりつつあるとの情報に対して「欧米は何の対策をしなかったから早く収まった。日本は(正しい)対策をしたから流行が続いている」と発言した上田健康局長ですが、次は「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」との発言を聞きたいものです。 2009年9月1日

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