【ピムコのエラリアンCEO】注目の「ニューノーマル」の邦訳が公開


一部メデイア等ですでに速報されていたが、ピムコのエラリアンCEOのニューノーマル」の邦訳が公開された。

重要と思われる、部分を一部抜粋コピペしておく。

(以下引用、強調は小生)

投資における意味

今回の長期経済予測会議は、参加者に考え抜くことを求めるプロセスとなりましたが、投資の長期的な位置づけを始め、商品設計や顧客サービス、ビジネス・マネジメントにわたるまで、数多くの戦略的なアイデアがここから生み出されました。

長期的な運用の指針としては、基調として多くの国のイールドカーブの短期セクター(当局がマイナス実質金利を長く維持するため)と、インカムを生み出す商品(こうした商品は純粋な株式プレミアムに勝ると見込まれるため)、そして脱米国に象徴されるような、よりグローバルな投資指向(米国はソブリン・リスクの水準変更が見込まれる上、高水準のインフレ期待が復活すると予想される)を選好します。具体的には以下のような戦略が考えられます。

  • 国内外における拙劣なバトンタッチに付随して繰り返し発生することが見込まれるアノマリーを活用すること。
  • これまで以上に国際的な観点、つまり米国中心的な考えから離れた見方を重視しつつ、経済的構造と資本構成上位のクレジット・スプレッドを選好すること。
  • 多くのリスク要因や市場のプレミアムに、契約の絶対性や資本構成、主要経済機関の独立が脅かされる局面の到来が、恒久的とも思われる形で反映されるようになることを忘れないこと。
  • 他通貨に対するドルの下落幅以上に、実物資産に対するドルの下落が大きくなる可能性があることを踏まえた上で、最終的にドル安が再燃することに備えたポジションを取ること。
  • 株式のリスク・プレミアムには劣後に対する懸念の恒久的な高まりが反映されるようになることを忘れないこと。

向こう数週間、世界各地に配置されたPIMCOのスペシャリスト・デスクは個別の戦略や資産クラス、商品にとって、こうした要素がどのような意味を持つか、評価する作業を進めることになります。

結論
市場は平均回帰するでしょうが、この平均は近年のそれとは大きく異なったものになるでしょう。元の状況と比較して、金融システムではレバレッジ水準が低下し、ディグローバリゼーションと規制強化が進むでしょう。先進工業国から新興国経済へと向かうダイナミズムの循環が続いているにもかかわらず、世界経済の成長率は低下し、失業は増加します。多くの市場で、政府の直接介入の負の遺産や一部のケースではそうした介入の持続が、価格形成に影響を与えます。負担共有はより顕著になり、経済分野おける政府の影響力の拡大を特徴的に示す要因となります。

過去をすぐに忘れること(そしてそれに関連したインフラと行動)で定評のある金融業界にとって、こうした状況はニュー・ノーマルと感じられることでしょう。リスクとリターンの構成が変化し、政府債務が急増し、資本構成は株式とシニア債務だけで構成される単純化されたストラクチャーに移行する可能性がある中、順応が求められます。ビジネス・モデルには修正が必要であり、投資運用手段は反応性と強固さを更に高める必要があります。

PIMCOがお客様からお預かり資産の運用を進めるにあたり、こうした問題は最重要課題となります。そこで、最後に、ボブ・ディランの曲「Forever Young(いつまでも若く)」の歌詞を紹介しましょう。これはお客様と共に、このニュー・ノーマルにつながる険しい道のりを進むPIMCOの歩みに影響を与えるシンプルな考え方を的確に表現できる曲です。

常に忙しくし、
いつも走り続け
足元を固めよう。
風向きが変わるその時に

ありがとうございました。

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