(追記あり)【予告】日高義樹のワシントン・リポート「米FRBリンゼー前理事に聞く」



別にテレビ東京の回し者ではないので、誤解の無いように(笑)。

本日の16時から下記の番組放映があります。
2009年4月26日(日) 午後4時00分~夕方5時15分
オバマはいつ景気を回復できるか~米FRBリンゼー前理事に聞く

このリンゼー氏については、過日春山さんが来日講演の模様を詳述されておられました。
これを読む限り、この番組は見逃せないと思う。

(追記)
放映終わりました。twitterでリンゼーの発言を追った(欠落や誤記入あると思いますがお許しを。もし、お気づきの方がいらっしゃればご一報お願い申し上げます。)。

  • オバマの計画は遠大過ぎる。多額の公的資金は民間企業を助けない。膨大な資金は金融機関に流れる。政府財政が大幅に赤字となるが、だれがファイナンスしてくれるのか?
  • 現在の危機の対応ではなく、アメリカ経済を社会主義へ近づけることに政策が向かっている。大きな政府に向かっている(特に医療の分野)。税金が高くなり民間企業の業績は悪化しよう。
  • 経済の回復に数年はかかる、今やっている政策は役に立たないし保護主義が進む懸念が大きい。米国の輸入が元に戻るには時間がかなりかかる。
  • 米国内で問題となっているAIGのボーナス問題は、政府が供与した資金の0.1%に過ぎず些細な話だ。残りの額がどう使われたかを検証すべきだ。うまく使われたとは思っていない。
  • 米国は深刻な不況だ。第2四半期はいいかも知れないが、後半はまた落ち込む。失業率は10%となろう。米国民は消費を減らし貯蓄を増やさざるを得ない。米企業の収益は1年半前の半分くらいまで落ち込むのではないか?GDPは今年マイナス1%来年ゼロだろう。
  • 政府が大きくなることをやっているだけで、民間企業の収益が回復しない。長期的には何の解決にならない。今後数週間はいいニュースを聞くだろうが、長期的にいいニュースは無い。住宅価格は09年末には底を打つと思うが、今よりは下がるわけだ。
  • それにしても、ローンを払わなくていいということを奨励する政策はいかがなものか?政府財政悪化について、国民も相当懸念している。子や孫にそんなものを承継していいのか?という声を私もよく聞く。
  • FRBはオバマの計画が役に立たないと考えている。自ら乗り出すつもりだ。そのため、大量の米ドルが供給されている。ドルの下落はある。それをFRBが望んでいる。計算されたリスクだ。インフレを期待しているのだ、日本のようなデフレを恐れているからだ。
  • 通貨を増やせば、価格は上がる。次に経済を安定させる、という戦略だがドルの価値は安くなるだろう。それで中国や日本に米国債を売れず、FRB自身が国債を買うわけだ。ある意味保護主義だ。すでにメキシコのトラック輸入を制限するようなことを始めたりもしている。
  • 要は保護主義を目指しており、世界貿易が縮小することを私は懸念している。オバマの政策は世界と米国の経済を低迷させる。だから、2年も経てば彼の人気は落ちるだろう。彼の政策が間違っているのは、歴史を見れば明らかだ。
  • かつてのように、米国民が自動車を買うことはもはや無いだろう。ピーク1700万台が今は1000万台だ。よく戻って1400万台ではないか?2011年頃の話となろう。米国人はもっと貯蓄をしようと決意した。老後の資金も株価の下落で瓦解した。貯蓄をすれば消費が減るのは道理。
  • これから50代と20代の人口が増える。特に50代の人(私もそうだが)老後を心配している。20代の人は職が無くなる。となると、消費について慎重になろう。オバマはもっと民間企業のことを考えるべきだ。一番の問題なのだ。労働や投資にかかる税金が多すぎる。
  • 米国の金融機関の信用は取り戻せるだろう。ヨーロッパの銀行そして日本の銀行の方が、うまくいってないと考えている。米国の金融は強い。数年で戻る。創造力のある専門家とマンパワーがある。ただ、数年は大変だろう。ただ、長期的には米国の金融と経済には楽観している。
  • 米金融業界には信用できない人間もいる。しかし、時がそして投資家がやがて正直な人、堅実な人を選ぶだろう。オバマは日本と同じことをやろうとして心配している。しかし、米国人は忍耐心が無いので、うまくいかねばすぐ変える柔軟性がある。かくて、よくなることを期待している。

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