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【レビュー№1430】ナニワ金融道

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評価★★★ 昔から何冊からパラパラ読んだことがあったが、最近 iOS アプリで無料で全巻読める ようになったと聞いたので読み始めたが、全 19 巻もあるとは知らなかった。最終巻の巻末に作者があとがきで書いてあるが、全ての連載が完了するまで 7 年もかかったのだという。ご苦労なことである。 舞台は本邦バブル崩壊直後の大阪なので、今になってはいささか古いと感じるところも多々あるが、商業金融の生きた教科書としては、いまなお価値はあるだろう。 聞くところによると、ある金融論の著名大学教授のゼミでは、本書が非公式な「教科書」となっているそうだ。当然だろう。 ざっと羅列してみると、信用情報、手形、不渡り、裏書譲渡、裏書人の権利義務、不動産登記(なお本作の当時は電子登記以前なので、今では絶滅したと思われる地面師などの死語も)、抵当権、短期賃借権、差押、不動産の占有、公正証書、商品先物取引、証拠金、追証、破産、夜逃げ、更正、士業の人による印鑑の偽装、反社会組織、それらによる拉致監禁、ネズミ講、新興宗教等々上げればキリがないのだが、作者はよく研究されていると感心することしきりだった。 もっとも、この作品に描かれている貸金業界の人々も、この後に訪れる貸金業法改正という激震までは予想できなかったことであろう。いつの世も、ブラックスワンは予測不能であるとふと思った。

 【レビュー№1429】週刊ダイヤモンド 2016年 8/27 号 [雑誌] (勝者のAI戦略)

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評価★★★ 図書館に AI の本を予約してるのだが、順番がまったく回ってくる気配が無いところ、ダイヤモンドが特集を組むと聞いたので、随分久しぶりに購入。 余談だが、ヴェリタス 500 円でダイヤモンド 710 円だが、読んだ後の満足感はダイヤモンドの方がはるかに上だったと言っておこう。 それは、肝心の特集記事だけでなく、各所にあるコラム(本号では元ヤクルトの宮本選手と経済学者の野口悠紀雄先生のものが興味深かった)の質が優れているからだろう。 で、 AI の話だが仕方ないとは言え、現状での総花的なまとめとなっており、今ひとつこれから何が起きるということが湧き上がってこない。個人的には AI よりブロックチェーンの方がフロンティアを築きそうな気がしているバイアスがあることもあるのだが。

【レビュー№1428】日経ヴェリタス 2016年8月21日号

評価★★★ ヴェリタスが富裕層の特集をすると聞いたので久々に購入。それにしてもいつも思うのだが、週刊新聞が 500 円もするのはどうなんだろう?週刊ダイヤモンド等よりは安いのだが。 肝心の特集は冒頭からの 4 ページ。日本株を 8 割の人が保有であるとか、車はトヨタ、時計はセイコー等々いかにも日本のお金持ちらしい行動パターンが多いと感じられ違和感はなかった。 職業柄そういう方の動静を知りたい方は、買って損は無いだろう。

【レビュー№1427】太平洋の試練 ガダルカナルからサイパン陥落まで 下

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評価★★★ 一連の太平洋の試練シリーズの最終巻。太平洋戦争の影の主役であった米潜水艦隊やおなじみマリアナの七面鳥撃ち等々について史実に基づく描写が続く。興味深いのは冒頭のその潜水艦隊についての記載。潜水艦戦は最初から順調な立ち上がりとは程遠く、また戦死率も米軍全軍中結果最悪(22%)であったという。臆病な艦長達としばしば起こった同士討ちなど、初期の潜水艦戦は混乱そのもの。魚雷の性能も悪く、発射後発射管内で停止するようなことも起きる始末。実戦でも次々と敵艦を逃してしまうなど惨憺たる有り様だった。しかし、徐々にそれらの問題点が改善されついに1945年3月以降は南方から日本へは一滴の石油は届かなかったのである。

{レビュー№1426】満員電車がなくなる日

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評価★★★ 例によって 池田信夫氏推薦図書 であるが、氏としては珍しく【鉄分】関連であったので読んでみることにしたが、読んでいてこれは一度読んだことがあったと気がついた。いまから8年も前の発刊なのだが、あまりにも奇想天外な著者の提案(2階建て車両とホームも2階建てにするなど)に当時これは無いだろうと思い、紹介を見送ったのだろう。 しかし、あれから8年。確かに上野東京ラインであるとか、各線地下鉄相互乗り換えの拡充など、従来的な手法による輸送力拡大は続いているが、本書に書かれてあるような「鉄道のイノベーション」はまったく進んでないのではないだろうか? 著者はその原因を過度に抑制されている鉄道運賃にあるとしているが、 池田信夫氏の言うような時間帯別運賃制度 などは、 Suica が当たり前となった現代では可能性のある対応策なのだろう。

【レビューNo.1425】シン・ゴジラ

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評価★★★ 公開直後から爆発的に賞賛の声が高まったシン・ゴジラ。やや遅まきながら劇場に足を運んだが、かつてのゴジラ作品であればお客様の半分くらいが子供だったはずなのに、白髪の初老の方が目立つことにまずこれまでの作品とまったく違うのだなということを実感。 あまりにも多くのネタバレ情報にさらされていたので、ストーリー的にはまあこんな感じなんだろうと予想の範囲内であったが、一つ一つが全てリアリティを持って描かれているので異様に疲れる。 大日本帝国陸軍以来の伝統と思われる日本組織の癌である「みこしは軽くてパーがいい」を、痛々しいまで描いていてつらい。特に総理大臣臨時代理の「これ、ハンコ、どこに押したらいいの?」には、コーヒー吹いてイスからこけて屋根から落ちた。 エヴァであればアニメであるのでどこか空想の話として頭の中で片付けられることが、こうもリアリティを持って描かれると本当にこたえる。 名作なのだろうが、娯楽としての映画という観点からは★を一つ減じたい。ただ、それこそが庵野の目指したことなのだろうけれども。

【レビュー№1424】中央銀行が終わる日

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評価★★★ 例によって 池田信夫氏推薦図書 だが、著者が日銀元参事ということもあり金融行政と仮想通貨との対比ということに焦点が当たっているようであり、ブロックチェーンそのものを本書で理解しようとするとやや混乱する(要は金融行政にかかるところの記載が多く、かつやや難解)。 面白いのは中盤あたりで、著者がビットコインの設計が投機を促すようにされているのではないか?と看破していることだ。偶然目にした堀江貴文氏のビットコインについての感想は「 とりあえず投機しかないでしょ 」だっただけに、頷ける内容であった。