【レビューNo.1425】シン・ゴジラ


評価★★★
公開直後から爆発的に賞賛の声が高まったシン・ゴジラ。やや遅まきながら劇場に足を運んだが、かつてのゴジラ作品であればお客様の半分くらいが子供だったはずなのに、白髪の初老の方が目立つことにまずこれまでの作品とまったく違うのだなということを実感。
あまりにも多くのネタバレ情報にさらされていたので、ストーリー的にはまあこんな感じなんだろうと予想の範囲内であったが、一つ一つが全てリアリティを持って描かれているので異様に疲れる。
大日本帝国陸軍以来の伝統と思われる日本組織の癌である「みこしは軽くてパーがいい」を、痛々しいまで描いていてつらい。特に総理大臣臨時代理の「これ、ハンコ、どこに押したらいいの?」には、コーヒー吹いてイスからこけて屋根から落ちた。
エヴァであればアニメであるのでどこか空想の話として頭の中で片付けられることが、こうもリアリティを持って描かれると本当にこたえる。
名作なのだろうが、娯楽としての映画という観点からは★を一つ減じたい。ただ、それこそが庵野の目指したことなのだろうけれども。

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