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【レビュー№1815】さようなら全てのエヴァンゲリオン

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  さようなら全てのエヴァンゲリオン 評価★★★★ 残念ながら新劇場版エヴァンゲリオンを劇場で見る機会が無いまま公開期間は終わったようである(まだマイナーな映画館ではやっているのかもしれないが)。 この番組の録画も随分前にしていたのだが、どうも見る気が起きなかった。 重い腰を上げてようやく見てみたが、2時間近くの番組があっという間に過ぎていったような気がする。番組の始め辺りで庵野はNHKの取材班に繰り返し「ぼくばかり撮っていてもダメだよ」と発言し、時に対角線上からアップで撮れとか、豪雨となっている外の風景を撮りに行けと言い放つ。なんと傲慢な人なのだろうと思うところだが、そのあたりは最後まで見続けているとわかる気がする。本人がインタビューで語っていたように彼は周りを振り回すタイプなのだ。だから、振り回される周りを撮っていた方が面白い絵が撮れるよというのが、彼なりの取材班に対する優しさだったのだろう。 序破急と続いた新劇場版の後の「休止」についても触れているが、あまり知らなかった妻である漫画家の安野モヨコさんが実にできた人であり驚いた。この人なかりせば最終作の完成は無かったのだろう。 端的に言えば「碇ゲンドウ」を地で行く人なのだろう、この人は。 彼にとっての人類補完計画はこれで完成したのだろうか。

【レビュー№1814】ヤリス

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評価★★★★ ひょんなことから、予定外でトヨタのヤリスを一日レンタカーで運転することになった。そもそも実家に帰省とかした際に、たいがいレンタカー(車種指定せず)で出てくるのはこのクルマの旧モデルであるトヨタのヴィッツやホンダのフィットであることがほとんどであり、この手のコンパクトカーにはあきあきしていた(どれに乗っても大差ないから)のが、今回のこのヤリスだけには驚かされた。 このインタビューで豊田章男社長が語っているように、セカンドカーではなくてファーストカーとして十分いける。乗った感触から言えばかつのマークⅡもかくやと思うほどの、高質感だ。一番驚いたのが、偶然FMラジオをつけたときに気がついたカーオーディオの高音質。我が家の安物オーディオよりよっぽどいい音がするではないか! マイカーを手放してそろそろ20年近く経って、おおよそクルマへの関心も消えかけていたが、今回それを呼び覚ますだけの力をこの小さいクルマには感じた。何かの機会があれば トップモデルのGR とやらに乗ってみたい気がする。

【レビュー№1813】モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番/ケージ:アトラス・エクリプティカリス(バーンスタイン・レア・ドキュメンツ 5)(グールド/ニューヨーク・フィル/バーンスタイン)

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  モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番/ケージ:アトラス・エクリプティカリス(バーンスタイン・レア・ドキュメンツ 5)(グールド/ニューヨーク・フィル/バーンスタイン) 評価★★★ 突如として 地元の図書館が ナクソス・ミュージック・ライブラリーの音源配信を図書館登録者に対して無料公開(期間2週間などで期限が切れると都度図書館に手続しないといけないらしいが)を始めた。クラシック音楽中心になんと200万曲以上 という。 その中で、珍しい音源が無いかと調べてみて、出てきたのがこちら。 グールドのモーツアルトピアノ協奏曲というのもあまり記憶にないが、バーンスタインとのコンビというのも興味深い。期待しながら聞き始めたが、残念ながら1959年収録の古い音源のようでどうやらモノラルの様子。ただし、その劣悪な記録状況においてもバーンスタインの若々しさはよく伝わってくる。ところが、この頃のグールドは至ってまとも(それともバーンスタインに遠慮して無難な演奏をしたのか?)な演奏であり、やや期待を裏切った。 他にも珍しい音源が無いか調べてみよう。

【レビュー№1812】ロストフの14秒

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  ロストフの14秒 評価★★★★ 私にとっての今次東京五輪は、開会式の前から始まったサッカーの久保選手に始まり、久保選手に終わったと言っても過言ではない。個人的には彼が「和製メッシ」として覚醒するのがもしも今大会なのであれば、それを見逃すことはできないと一サッカーファンとして強く思っていたからだ。残念な最終戦敗戦後のインタビューで彼は「サッカーをしてきて、これほどくやしかったことは無かった」と大つぶの涙をこぼした。それを見ていてた私は強烈な違和感を感じた。君は「ロストフの14秒」を知らないのか?忘れたのか?と。ましてや、次のワールドカップのカタール大会のアジア最終予選は間近に迫り、「ドーハの悲劇」のリベンジを我々はしなければならないのは自明だろう。 評者は録画保存してあった、本番組の動画を改めて(たぶん5回目くらいだろうが)視聴するとともに、初めて存在を知った本書を手にとった。内容は大部分(イメージ8割)は番組で紹介されている内容だが、一部本書オリジナルの内容(特に、巻末のオシムのインタビュー記事は秀逸)があり一読の価値はあろうかと思う。 久保選手は本書を10度は読むべきだろう。吉田麻也、あなたも一度は読み直すべきだw

【レビュー№1811】わが米本土爆撃

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  わが米本土爆撃 評価★★★ Wikipediaなどの情報で、 太平洋戦争中に密かに米本土に接近した潜水艦から発進した水上機で、日本軍が米本土の空襲に成功した との話は前から知っていた。ただ、タレブが言うように、歴史は勝者が作るので敗者の歴史は埋もれがちだ。実際この逸話も実行前後において海軍内では秘匿され、誰も知ることは無かったという。本書によれば、この作戦は ドーリットル隊のB25爆撃機日本急襲 のリベンジとして企図され、しかも人口集中地を爆撃するのではなく、大規模な山火事を起こすことで米国民の戦意を削ぐことを意図して立案されたのだと言う。しかも、当時士官軍人であられた高松宮様臨席の作戦会議で検討されたと言う。 人の殺傷を意図しないというのは、いかにも日本人らしい奥ゆかしさか。 驚くべきは勝者米国の大らかさである。戦後も随分たった昭和37年。著者の元に大平正芳官房長官(当時)から突如面談したいとの連絡が入る。米国側が著者の身元紹介をして来たというのだ。それからほどなく、外務省経由で著者のもとに届いた米国からの封書には爆撃をしたオレゴン州ブルッキング市長の名で「アメリカは開国以来、外敵の侵入を許したことがなかった。日米戦争において貴殿はこの史上の記録を破って、単機でよく、米軍の厳重なレーダー網をかい潜り、アメリカ本土に侵入し、爆弾を投下した。貴殿のこの勇気ある行動は敵ながら実に天晴れである。その英雄的な功績を讃え、さらなる日米の友好親善を図りたい」とあり、著者とその家族を同地に招待したいと書かれていたのだ。実際著者はその後複数回同地を訪問し、逆に私費などで同地の若者を日本で招くなどして親善に貢献している。ブルッキング市では現在でもその爆撃の日が「フジタノブオデー」という記念日となっており、 米国内で本年これについてのドキュメンタリー映画が公開されている様 である。 本書は前半が戦時中の軍務のこと、後半が日米親善に至る話となるが、最終的に著者は(戦時中に米西部で軍務に就いておりあるいはこの話を知っていたかも知れない) レーガン大統領から感謝状と米国国旗(実際にホワイトハウスに掲揚されていたもの)を贈られる までに至るのだ。 間違っても米国を敵に回してはいけない(中国の味方となってはいけない)、これが本書から得る教訓だろう。

【レビュー№1810】スピリチュアルズ 「わたし」の謎

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  スピリチュアルズ 「わたし」の謎 評価★★★ 長年個人的な「人生の師匠」として尊敬し感謝申し上げている橘玲氏の近著。著者は年間の約3分の1を海外旅行で過ごしているそうだが、コロナによりそれが不可能になったことにより、脳科学や心理学の方面の著作をむさぼるように読み続けていたうちに、大きな発見をしたのだという。 著者の過去の著作の中では長編のように感じるが、これでも本来書きたい内容の約半分に絞ったのだという。そのせいかどうなのかわからないが、結局著者が何を言いたいのかということが、いまひとつはっきりしない。まとめとしては、「あとがき」の部分になるのだろうが、よくよく考えればそれは著者が従来の著作から指摘していた「人間、自ら好きなことを続けることしかない(著者が言う「生涯現役で働かざるを得ないこれからの人生設計」を考えた上で必要なこと)」ということの裏付けであることに過ぎない。だからこそ、著者は非常なる高揚感を持って本書を書いているのだろうが。その「人生設計」は今後は所与のものと理解(ないし絶望)している評者としては、著者のような高揚感を本書からは感じられなかった。

【レビュー№1809】地主のための資産防衛術

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評価★★★ どエンド君が Twitter で本書を取り上げていたので読んでみたのだが、絵に描いたような本邦バブル期に踊ってしまった郊外型地主のよくある最悪パターン( NHK 土曜ドラマ「ハゲタカ」の第一話に登場する西乃屋を想起する、西野社長が今後を絶望視して自殺する点も含め)だ。経済が右肩上がりであれば誰が何をやってもうまくいくが、そんな時代が永続するわけがない。著者は「ハゲタカ」で言うところの「西野治」と「鷲津」を一人二役でこなす様なことをやっていくわけだが、書中明言は避けているが大手税理士法人のタクトコンサルティングとの出会いがターニングポイントだったのだろう。だから、いつも言っているように「いかに信頼できる相談相手に出会えるか」が決定的に重要なのだ。それは縁もあることなので、難しいことではあるけれども。