投稿

【レビューNo.1646】国家破産はこわくない

イメージ
評価★★★★ 早いもので本書の 原作 が発刊されて 4 年半と言う。今回の文庫化にあたってほとんど加除修正がなされていないと作者は言う。実際読んで確認してみたが、文庫版の前書きと後書き以外には、ごくごく一部(恐らくは全体の数 % )しか変更点は見られなかった様に思う。作者曰く「日本を巡る経済情勢に変化が無いから」だということだが、要は国家財政の危機的状況にいささかの変化もないどころか消費税増税の延期を始め状況はむしろ悪化してるのだから当然だろう。ブラックスワンの定義に従い、破局的な事態が起きるのかどうか、起きるとしていつ起きるのか?どの様に起きるのかは予測不明なわけだが、それへの作者流の対処法は当然原作の時と不変だ。それを信じるかどうかは自己責任の世界だが、私は作者を信じてみたい様に思う。

【レビューNo.1645】週刊ダイヤモンド 2018年 1/27 号 [雑誌] (廃業 or 承継 大量引退時代の最終決断)

イメージ
評価★★★ ついに週刊ダイヤモンドで事業承継というより、中小企業の廃業や M&A が特集される時代となった。無論、事業承継税制の大幅改正(拡充)がそのきっかけであり、本特集にも書かれているが評者の知り得る限り業界はあたかも『事業承継祭り』の様相を見せているのは明らかだろう。 この手の特集の際に毎度書くが、信頼できる相談相手、、、、それを見つけるのがますます困難になりつつあるが、、、、に相談することが、ますますもって重要になりつつあるのだろう。

【レビューNo.1644】スター・ウォーズ/最後のジェダイ

イメージ
評価★★★★ 遅まきながらエピソード 8 を鑑賞。今回作品についてはかなり賛否が割れている様だが、評者は良作として評価したい。恐らくは「帝国の逆襲」をデジタルリマスターしたかの様なストーリー仕立てであることは否めないと思うが、ところどころに小さなどんでん返しがあってそれが小気味良い(例、マスターヨーダがルークに「ヤングルークスカイウォーカー」と語りかけるところ。評者は、君もまだまだ若い、学べよとたしなめたと理解。)。また、前作同様、「悪い人が弱い」というディズニーらしい路線が徹底されるのは興味深い。思わせぶりなラストシーンもスターウォーズならではだろう。次回スピンオフ作の「ハンソロ」も期待したい。

【レビューNo.1643】モーツァルト:弦楽四重奏曲 アルバン・ベルク四重奏団

イメージ
評価★★★★ 先日ご紹介した日本人バイオリンドクターの方の本「 ストラディヴァリウスの真実と嘘 」で、アルバン・ベルク四重奏団の第一バイオリンのストラディバリウスはその日本人バイオリンドクターがメンテしていたことが明らかにされていた。たまたま、図書館で検索したら モーツアルトの弦楽四重奏曲のデジタルリマスター版 が3枚あったので借りて聴いてみたところ、とても1970年台の録音とは思えない鮮明な録音と輝かしいばかりの演奏で腰を抜かしそうになった。まさに永遠のスタンダードとはこのことなのだろうと思った次第だった。

【レビューNo.1642】HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング

イメージ
評価★★★ ある方にこの本の存在を教えて頂き読み始めた。最初ある特殊な体操についての説明が延々とあってこれを毎日 4 分やれば素晴らしいカロリー消費となる旨書いてあるのだが、しばらく読み進むと「軽いジョギングの方がもっと効率的にカロリー消費できる」と書いてあり、軽いめまいを覚えた(違。 まあ、要は運動が大事だよ、食べ物も糖質制限中心に気をつけようという話で、強引な話だがどこかタレブの「反脆弱性」に通じるものを感じた。

【レビューNo.1641】モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集

イメージ
評価★★★ 以前に ヘブラーのモーツアルトソナタ全曲 を聴いておいたが、弾き手によって同じものがこうも違う歌に聴こえるのかと驚くファジル・サイによる同じくモーツアルトピアノ・ソナタ全曲集。 やはり現代の演奏という点では、こちらに軍配が上がるのだろう。アップテンポで自在にゆらぐが確かなテクニックもあるようで、安心して聴ける。

【レビューNo.1640】ストラディヴァリウスの真実と嘘

イメージ
評価★★★★ おそらくは日本で唯一のバイオリンドクターと思われる著者の生涯を賭した集大成の一作と高く評価したい。 奥方にしてバイオリニストの中澤きみ子によるストラディバリウス模範演奏の CD が付録で付いているこだわりようだ。その付録 CD の演奏では、ロマノフ、ダ・ヴィンチ、ハンマー、ヴィオッティの 4 種類のストラディバリウスによる録音が収められている、、、、、、私の様な素人だとそもそもストラディバリウスに何種類もあるのか?というレベルなので実に難解な書だ(評者も一応クラシック音楽のマニアの端くれではあるのだが)。 ストラディヴァリウスの他とは別次元の音を奏でる楽器としての魔力、製作者であるストラディバリ本人の歴史とその秘密、楽器となったそれぞれのストラディヴァリウスの数奇な運命、ストラディバリウスを演奏する巨匠たちの素顔、著者の生い立ち、バイオリン工房を立ち上げて幾多のドラマチックな出来事を経ながら音楽家への貢献を目指す日々、などなどクラシック音楽に関心ある方にとっては読んで損はない話ばかりだ。 著者はバイオリン作成歴が 60 年を超えると言い、なんと初めて作った時はまだ 8 歳だったそうだ。そう聞くとさぞかし金持ちのお坊ちゃまだったのだろうかと思うが、事実はその逆で父親が借金の保証人となり無一文となって、あたかも「大草原の小さな家」を想起させるような極貧の水車小屋生活(その小屋もお父上が自作したのだという、元々木工職人だったそうだ)の中にあって、始めたというのだから驚きだ。中学や高校の夏休みの宿題ごとに新しいバイオリンを作って提出していたという。そして 19 歳にしてなんのつてもなく渡欧して、現在に至るまで日欧を往復する日々が続くという。どこか、若い頃の小澤征爾氏を彷彿とさせる。 かのアルバン・ベルク四重奏団なども氏が楽器の調整をしていたというほどのマイスター。著者の志がこれからも確かに継承されることを祈念すると共に、陰ながら応援したい。