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【レビューNo.1640】ストラディヴァリウスの真実と嘘

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評価★★★★ おそらくは日本で唯一のバイオリンドクターと思われる著者の生涯を賭した集大成の一作と高く評価したい。 奥方にしてバイオリニストの中澤きみ子によるストラディバリウス模範演奏の CD が付録で付いているこだわりようだ。その付録 CD の演奏では、ロマノフ、ダ・ヴィンチ、ハンマー、ヴィオッティの 4 種類のストラディバリウスによる録音が収められている、、、、、、私の様な素人だとそもそもストラディバリウスに何種類もあるのか?というレベルなので実に難解な書だ(評者も一応クラシック音楽のマニアの端くれではあるのだが)。 ストラディヴァリウスの他とは別次元の音を奏でる楽器としての魔力、製作者であるストラディバリ本人の歴史とその秘密、楽器となったそれぞれのストラディヴァリウスの数奇な運命、ストラディバリウスを演奏する巨匠たちの素顔、著者の生い立ち、バイオリン工房を立ち上げて幾多のドラマチックな出来事を経ながら音楽家への貢献を目指す日々、などなどクラシック音楽に関心ある方にとっては読んで損はない話ばかりだ。 著者はバイオリン作成歴が 60 年を超えると言い、なんと初めて作った時はまだ 8 歳だったそうだ。そう聞くとさぞかし金持ちのお坊ちゃまだったのだろうかと思うが、事実はその逆で父親が借金の保証人となり無一文となって、あたかも「大草原の小さな家」を想起させるような極貧の水車小屋生活(その小屋もお父上が自作したのだという、元々木工職人だったそうだ)の中にあって、始めたというのだから驚きだ。中学や高校の夏休みの宿題ごとに新しいバイオリンを作って提出していたという。そして 19 歳にしてなんのつてもなく渡欧して、現在に至るまで日欧を往復する日々が続くという。どこか、若い頃の小澤征爾氏を彷彿とさせる。 かのアルバン・ベルク四重奏団なども氏が楽器の調整をしていたというほどのマイスター。著者の志がこれからも確かに継承されることを祈念すると共に、陰ながら応援したい。

【レビューNo.1639】TREASURES

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評価★★★★ 元旦にジェシー・ノーマンのCDを家の中で探していた ら、ついでにこれが出てきたのでずいぶん久しぶりに聴いてみた。言わずと知れた山下達郎のベスト版で、かのクリスマスイブ等々の約30年前頃のヒットソングメドレー。 小生が社会人になったばかりの頃、先輩がカラオケで「ゲット・バック・イン・ラブ」を歌っていたのが懐かしい。 ジェシー・ノーマンは活躍の報が消えた ようだが、山下達郎は64歳にしていまだ健在。これからも元気な歌声を聞かせてほしい。

【レビューNo.1638】青島要塞爆撃命令

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評価★★★ SNS上で評者が長いことお世話になっている作家の板谷敏彦氏が近著「 日本人のための第一次世界大戦史 」で本作品のことに触れておられており、ずっと気になっていたのだが、ようやく正月休みの最終日に拝見。 東宝映画作品としては稀有な第一次世界大戦ものであり、カラー作品としては最初期のものと思われる。主役を演じるのは若き日の加山雄三であり、今で言うなら木村拓哉の様な位置づけのタレントさんだったのであろうことが、窺い知れる。 僅か2機の複葉水上機から始まった帝国海軍航空隊、しかも母艦は民間貨物船を急遽徴用した水上機母艦若宮丸。草創期の航空戦を描いた貴重な作品と言えよう。

【レビューNo.1637】Jessye Norman Live

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評価★★★ ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでひさびさにリッカルド・ムーティが振っているのを見ていて、ふとジェシー・ノーマンはどうしたんだろうかと思い、持っていたこの盤をひさびさに引っ張り出した。 肝心の彼女は既に当然ながら70歳を超え、最近の活動は確認できないようだ。 この録音は彼女が全盛期だった80年台後半のライブによるもので、終盤に近づくにつれ観衆の拍手や絶叫(ドイツだったのかDankeの声が聞こえる)が凄まじい。 特に、黒人霊歌2曲と終曲ボカリーズの演奏と観客の盛り上がりよう(最後は足踏みが聞こえる)は必聴だろう。

【レビューNo.1636】専業主婦は2億円損をする

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評価★★★★ 野口悠紀雄先生と橘玲氏は、勝手ながら個人的な人生の師匠との位置付けだ。ただ、最近の橘玲氏の作品は今ひとつ気持ちが空回りしている感が無いでも無かったが、本作は久しぶりに橘玲らしさが素直に表出した作品と評価したい。 その理由は本書のあとがきにある(あとがきを読んでから読書を開始することをお薦めしたい)。これまでにあまりなかったことだが、本書のあとがきで著者は著者のプライベートについてかなり詳細に語っている(内容についてここで触れるのはつまらないので、明かさないでおこう)。その著者の体験が、本書の内容に説得力を与えているのだ。 そのあとがきで著者が触れている通り、本書は著者の既刊『 幸福の「資本」論 』をジェンダー問題の分野で焼き直したものだ。タレブを例に上げれば、タレブ自身は近著の「 反脆弱性 」が一般的な事項を書いている作品であり、ベストセラーの「 ブラックスワン 」は金融危機に的を絞った作品だと定義している(そう「 反脆弱性 」に書いている)。では、「 反脆弱性 」と「 ブラックスワン 」のどちらが読み物として面白いか?というとそれは難しい質問だ。行動経済学が教える通り、 人間は「物語(tale)」で理解する(アカロフ など)。物語として読者に読ませるのは今回の場合、本書「 専業主婦は2億円損をする 」なのだろうと思う。それは何故かと言うと、先にも書いた通り著者の歩んできた真実の物語が、本書には裏打ちされているからだろう。

【レビューNo.1635】栄光のル・マン

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評価★★★ たまたま図書館に蔵書?されてたので、見てみることにした。無論、松屋銀座宮崎バイヤーお好みのスティーブマックイーンを眺めるためなのだが、冒頭以外はレーシングスーツ姿のみなので、ファッションの参考にはあまりならない。 ルマン 24 時間レースを舞台にした物語であり、日本ではそこそこ有名な作品だが、実は米国での興行は散々だったという。 撮影時に足を切断するほどの大けがをするスタント?が出るほどの熱のこもった作品だが、モータースポーツマニア以外には少し難しいと感じるかもしれない。

【レビューNo.1634】入門 ビットコインとブロックチェーン

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評価★★★★ 現時点での仮想通貨とそのコアテクノロジーであるブロックチェーンとそれがもたらす今後について、ド素人が読むべき入門書として現時点では最適と評価したい。 多くのことは、著者の数々の前著と重複しているところも無いではないが、もしも野口悠紀雄先生のブロックチェーン絡みの本をお読みになったことが無いのであれば、なおのこと本書はお薦めとなるだろう。