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【レビュー№1263】ナッシュは何を見たか

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ナッシュは何を見たか -純粋数学とゲーム理論 評価★★★ 過日書いた 様に、 ひょんなことから 放送大学の現代経済学 を拝見する機会があり、 ナッシュとアカロフの回の折に本書が紹介されていた。 同じく紹介されていたアカデミー賞作品賞受賞の 映画ビューティフ ルマインド を見たこともあり、 本書も読んでみたくなったので手にとった。 放送大学の講義 でも触れられていたが、 ナッシュはその長きにわたる心の病の闘病期間もあり、 自身による一般向けの著作は無いそうだ。しかし、 本書にはナッシュ自らが記した自伝と主要な論文について披露され ている。また、 ナッシュと近しい関係にあった人物による補足もあり、 題名の通り「ナッシュは何を見たか」 を概観することはできるだろう。

【レビューNo.1262】「空き家」が蝕む日本

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「空き家」が蝕む日本 評価★★★★ 日経新聞の一面トップが空き家問題 の記事だったという記念すべき日に、この題名の本読むことになったのも何かの縁だろう。以前にも書いたが、評者にとって著者は不動産の分野の勝手師匠的存在である。随分前に持ち家した際も著者の本を読んで、家賃相場等から合理的な値段の中古マンションを買い求めた。先日は、公開のセミナーの場にも参上して、その熱い話を直接伺うこともできた。 最近は日経新聞のWEB版で定期的に寄稿されているので、大変ありがたい。 本書は題名からすると、空き家問題の本かと思いきや、著者が前から批判している不動産仲介業界の「両手」問題に始まり、日本の住宅の短すぎる寿命問題や、中古住宅流通の革命となるやも知れないインスペクション、はたまた著者が近時熱を入れているフィリピン不動産投資とその守備範囲は広い。 評者は著者の発言を日頃からフォローしているので、新味のあるものは正直少なかったが、長嶋氏のことをあまりご存知無い方は一読されて損は無いだろう。 本書の直前に 野口悠紀雄先生のビットコインについての新著 を読んだのだが、ビットコインによって不動産賃貸において、革命的な変化が起きうる例示が記してあった。 いつも半歩前を行っていると思われる著者の言説に耳を傾けるのも、悪いことではないと思うのだが。

【レビュー№1261】仮想通貨革命---ビットコインは始まりにすぎない

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仮想通貨革命---ビットコインは始まりにすぎない 評価★★★★★ 何度となく書いてきたが、評者にとって野口悠紀雄先生は、 命の恩人だ。先生の 「超」整理法 なかりせば、職業人としての私は、 とっくに崩壊してたと思う。 もっとも、その後お書きになった 超「超」整理法 や、 マウントゴックス事件の前後に連載されたダイヤモンドでのビット コインについての寄稿 を見かけた時は、 ついに野口先生も老いぼれたかと落胆したものだった。 しかし、本書を読んでそうした評者の認識は、 何と浅はかなものであったかと反省することしきりだ。 私もそうだったが、マウントゴックス事件をもってして、 ビットコインは怪しいものでありとても通貨とはなり得ない、 等ともしあなたが思ってるのなら、 本書はあなたにとって必読書だ。 著者は、 ビットコインはフランス革命のごとき革命を呼び起こすと予想する 。私も本書を読むまではそんなことは思いもよらなかったが、 今はそうではない。 SF映画の世界でしかなかった、 世界政府や直接民主制への道となるやも知れぬビットコインだと著 者は言う。私もそんな気がしてきた。人類は、 まだ前進できるのかも知れない。

【レビュー№1260】ビューティフル・マインド

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ビューティフル・マインド 評価★★★★ 偶然、 放送大学で現代経済学という講義をやっている ことを知って、たまたま録画して見たのが ナッシュ と アカロフ の回だった。その講義で講師の 依田高典氏(京大大学院教授) がこの映画のことに言及していた。前から気になっていた作品だったが、なかなか視聴する機会が無かったのだが、これまた偶然にも娘の中学で数学の夏休みの自由研究というものがあり、その題材として本作品を一家で拝見することになった次第。見終えた瞬間、全員で号泣。 作品の内容等については このあたりからご覧 いただければ、あらかたわかるだろう。 Amazonのレビュー を見ていると、ナッシュの心の病の方に重点を置いたものが目立つのは仕方のないこととは思う。前述の放送大学の講義でも言及していたが、「狂気と天才とは近接している」というのは真相なのだろう。話題がそれるが、サッカーのワールドカップの 米代表GKとして一躍有名になった ティム・ハワード も、病名は違うがやはり心の病を抱えると大会期間中に聞いたのを思い出した。

【レビュー№1259】週刊東洋経済 2014年7/26号

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週刊 東洋経済 2014年 7/26号 「『21世紀の資本論』が問う 中間層への警告/人手不足の正体」 評価★★★★ 経済学の本としては異例に全米(というかAmazon)ベストセラーに躍り出た「21世紀の資本論」の著書であるピケテイが本号の特集。ご本人のインタビューと池田信夫、水野和夫両氏による解説共々、非常に読み応えがある。 また、巻頭辺りにある早川元日銀理事の寄稿「「忘れられた予言」の実現」も興味深い内容。 久しぶりに、ご購入をお薦めしたい一冊。

【レビュー№1258】これから3年 不動産とどう付き合うか

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これから3年 不動産とどう付き合うか 評価★★★★ 著者のことを知ってもう10年以上になるだろうか。今住んでいるマンションを購入する際にも、当時の著者の著書を読んで参考にさせていただいた(どの本だったか思い出せないが)。 最近はFacebookやTwitter等での発言を活発になさり、国交省の委員を務める一方、日経新聞等にも定期的に寄稿されるなど、ある意味旬の不動産業界関係者であることは間違いないだろう。 評者は著者の発言等をそうした媒体で恐らく絶えずチェックしているので、申し訳ないのだが本書に書いてあることに新味は無かった。だが、例えば著者らが中心となって国も動き始めている中古住宅評価の見直し等の動きを貴方が知らないのなら、本書は一読の価値がある。 刺激的な題名とは違い、まっとうな不動産(主として持ち家)入門書としてお薦めできるかと思う。

【レビュー№1257】リスクとの闘い

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リスクとの闘い 日銀政策委員会の10年を振り返る 評価★★★★ 元日銀審議委員であった著者が、 その10年にわたる在任期間を振り返った大著。 まえがきからいきなり現日銀執行部への疑念めいた話が始まってお り、嫌が上にも期待が高まる。 特に現時点の金融政策の理論的支柱であろう浜田御大を一刀両断に しているところには、爽快さすら感じる。 日頃、 本石町さんのTwitter 等でも感じていたが、 本書を読むと日銀の現場は実にきめ細やかな業務を行っていると感 心することしきりだ。 特にリーマンショックや東日本大震災の際の日銀の対応についての 記載は、読んでいて頭が下がる。旧日本軍以来の伝統で、 日本の組織は現場が優秀だということが、 日銀においても適用されることをまざまざと感じる。 大震災の時には、自衛隊も戦っていたが、日銀も戦っていたのだ。 本書を読めば、現日銀執行部は撤退が困難なナローパス(注 著者が使用した表現)を歩んでいることは明白だろう。 その行き着く先が、 いかなる結果をもたらすかは著者は書いていないが。