【レビューNo.1315】戦艦武蔵


評価★★★
このところのポールアレン氏の戦艦武蔵発見騒動で、にわかに同艦に関心を持った人は少なくないようで、本書も現時点ではAmazon欠品となっているようだ。
悲劇の沖縄特攻が最後だった戦艦大和に比して、その生い立ちから最後まであまり知られることのなかった二番館武蔵の生涯が、本書を読むと目の前で展開されているように眺めることができる。この手の歴史小説物ではやはり吉村昭氏の右に出る書き手はいないのだろうが、数ある氏の著作の中でも本作品は菊池寛賞受賞の名作だそうだ。
その建造から最後まで悲惨極まりない武蔵の生涯なのであるが、評者にとって最も気の毒だったのは、撃沈後生き残った乗組員たちの末路だったことは特記しておきたい。
建造中に軍事機密である設計図が紛失、調査したところ「設計図がなくなれば仕事をしなくすむだろう」と思った職員による故意の破棄だったそうだが、いつの世にもそういう人はいるのだなあと複雑な気持ちだった。

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