【レビュー№1186】技術者たちの敗戦





評価★★★
珍しくもeurosellerさんがブログで書物を推奨されてたので手にとった。
今夏のジブリは久々の御大作品で、主人公はゼロ戦の設計者として知られる堀越二郎だそうだ(現時点でまだ映画は拝見してない。)。
その堀越二郎を始め新幹線を作った島秀雄をはじめとした戦中期に活躍ないし活躍の端緒のあった6人の技術者の歴史を振り返ったのが本書だ。
そういう意味で、時宜にかなった書かも知れない。
個人的にはゼロ戦の堀越より新幹線の島の方が興味深い。例えば、戦争末期は敗戦を予測し国鉄人員の確保(兵隊に取られない)に邁進したり、心ならずも戦後にC62を設計した際は最善を尽くしても蒸気機関車では性能に限界のあることを明示するべく狭軌蒸気機関車の最高性能を目指したこと、進駐軍の意に反して電化と電車化(湘南電車こと80系)を推進し、それらがすべて新幹線計画に繋がっていたこと。その計画性というか長い長いシナリオを事前に書いていたということには、敬意を表したい。

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