アジアの未来(日経新聞主催)におけるマレーシアのマハティールの発言メモ

春山さんが先日のマハテイールの講演のメモを書き起こされているのでご紹介。
(以下全文引用)

アジアの未来(日経新聞主催)におけるマレーシアのマハティールの発言メモ: "5月に参加したアジアの未来(日経新聞主催)におけるマレーシアのマハティールの発言をメモしました。
私の英語ヒアリングの範囲内のメモです

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サブプライム金融危機を振り返って、「なぜ欧米の金融システムが失敗に終わったのか?」を考えると、「ペーパーマネーを国際貿易決済に使うからだ。」という回答にたどり着く。

私は国際貿易にはゴールドにリンクした「Trading Currency」使うことを提唱したい。
(筆者注:金と兌換が保証された通貨という意味だろう。しかし現在は金兌換通貨は存在しないし、貿易量を充足するだけの金の貯蔵も無い。金算出国が有利になるが、地面の下に埋まっているモノが覇権を得るという一種の資源国覇権をマハティールが容認しているのかは不明だ)

この「Trading Currency」は国家間で決済するように管理すべきだ。
(筆者注:貿易が国家管理のもとに置かれることを前提としているようだ)

国内の通常のビジネスには自国通貨を使うが、できればユーロのような一定の地域内では、地域共通の「Common Currency」を創設するのが好ましい。しかし、アジアは国ごとの発展段階が異なっているので「Common Currency」を急いではならない。EUとてここまでくるのに50年を要したのだ。
(筆者注:EUのように最遅国にあわせた護送船団政策を採用し、また豊かな国から貧しい国への巨額の所得移転をしてもも、政治税制の不一致により発展レベルの一致は成しえていない。EUの場合は「アメリカへの対抗」という欧州の意地が各国の政治的な不一致を克服してきたが、これに比肩する政治的なインセンティブがアジアにも必要だ)

タイ情勢に関しては、他のアジア諸国にも教訓とすべきことが起こったと考えている。いわゆる「Social Crisis」が起こったのだが、「Social Problem」と言うレベルの問題は常に存在するし、完全になくすことはできない。しかし、経済危機が起こると「不満が先鋭化」してProblemCrisisに高まるというのは教訓だ。

鳩山首相が提唱する東アジア共同体構想だが、何か国際的な行動を起こすに際しての「交渉力を得るため」という視点から考えている。欧州にはEUがあり、北米にはNAFTAがある。これらの強力な交渉力を持つ地域連合に対してアジアも集合して交渉力を持たねばならない。ただし、そのためにはどういう範囲の国が集合すれば適当かを考えなければならない。
(筆者注:中国、インド、日本、韓国はマハティールの考える集合国からは除外されているように感じた)

日本は少子高齢化で衰退すると言われることに関しては、国の発展もレース(=競争)だから、必ず勝ち負けや栄枯盛衰がある。少し前まで日本は大勝ちしていた。
(筆者注:最近はレースに勝つための努力をしていないじゃないか、と言っていると感じた。)

現代の戦争はコストが非常に高くなった。しかも大国(=核保有国)が全面戦争すればお互いが消滅する。米ロの保有核だけで地球全体を消滅させてしまう。
しかも、過去と異なり他国を征服することは事実上不可能になった。征服すればテロをされる。いずれにしても「Kill People」は問題を解決しない。
(筆者注:テロのコストは非常に下がった。戦争のコストは高騰したが・・)

沖縄の基地だが、「アメリカは世界に60カ所も軍事基地を持っているが、世界はちっとも平和ではないし、安全でもない」という事実を認識すべきだ。アメリカのやっていることは何かが間違っているとしか考えられない。費やされている巨額の軍事費用は「Wast of Money」だ。
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